Islet of Lamplight

　ブリザード・エッジを鑑賞しました。
　一言で言ってしまうと鼻で笑える駄作なんですが、ツッコミどころ多すぎて面白かったです。サスペンスシーンなのにげらげら笑ってしまう問題点が山盛り。

　無意味なカットが多すぎる……。前半がほとんど無駄。これを全部削って、後半の急ぎすぎな殺戮シーンをもうちょっとのばしたとしても、１時間で行けると思います。意味もなく持っているライターの火が一瞬切れたり、剥製の猫を何度も映したり。何度も映すから何か重要なシーンに使われるのかと思ったら、そのまま放置。かと思えば、後半で突然トラップが出てきました。もっと丁寧に映してほしいです。
　前半は「これモンスターパニックだろうよ、睦みすぎだよお前ら」で集約できると思います。ほんと睦みすぎ。そのシーンせめて２／３は削ってパニックに回そうぜ……。

　ちなみに、モンスターは名前がないので、勝手に「ぐーたろす」と名づけました。ぐーたろすはあまりにぐーたらです。頭上を獲物がわさわさ動き回っているのに、ぼさっと猫の鳴き真似してます。
　ぐーたろすは、何というか、固形化した微生物というか、シロアリ的な蜘蛛というか、何とも言い表しがたい体型をしてました。そして、鋭い牙がたくさん生えているにもかかわらず、一度も口を開きませんでした。その牙は飾りか。ビニールチューブにしか見えない舌（？）をのばしてる場合じゃありません。
　せめて口開くギミックくらい組み込んであげて下さい。
　しかも、お外で襲った人間（貴重な食料）を玄関先にデリバリーしてあげてます。親切なのかそうでもないのか判断に困ります。

　とりあえず、冬山という設定を間違えすぎているのは確かです。草が青々と茂りまくってます。空は健康的に青いです。木々も生命力旺盛。雪山のシーンになると、いきなり映像が浮きまくります。降雪のシーンは塩じゃまいか。冬山なのに、しかも暖炉の火以外に暖を取るものもないのに息白くないとはどういうことか。
　ちらちらと狼のカットがありましたが、狼いれば冬山な心意気だったのでしょうか。モンスターにやられる前に、飢えた狼にやられるわ。
　そして、山荘には食料などない＝数日間飲まず食わずのはずなのに、なんでみんなそんなに元気なんですか。挙げ句の果てに、ブリザード来ていてお外出られない＝ぐーたろす襲撃でピンチ、のはずなのに、結局吹雪いている（はずの）お外を歩いて下山するとは何事ですか。リボルバーなのに、銃弾つめもしないでいったい十何発撃ってるんですか。

　そんなわけで、妹とふたり、ひたすらツッコミを入れつつ見てました。
　無駄を削ってしょぼすぎるCGと合成を何とかすれば、もうちょっと見られる作品になりそうな気はします。